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多くのコメ農家が赤字でも、私たちがお米を食べられる理由

日本の農業や食料自給率に関心がある読者におすすめのコラムをご紹介します。この夏、店先からお米が消え、「令和の米騒動」と話題になりました。私たちの日常に「あることが当たり前」のお米ですが、これを支えるコメ農家の多くが赤字であることをご存じでしょうか?

三菱総合研究所の研究員が、統計データを用いて収支を試算したところ、コメ農家の95%が赤字であり、その多くは規模が小さい農家であることが分かりました。図表から、損益分岐点以上の生産コストがかかっている実情が読みとれます。

コメ農家・経営規模別の60kgあたりの生産コスト

これらの農家には、投入する生産コストに対する収穫量が少ないことに加え、小さな農地が分散している特徴があります。農地が同じ集落内にないケースもあり、離れた小さな農地を数キロも移動する農家もあるそうです。水田地帯の耕作状況を見ると、同じ農家の水田は必ずしもまとまっておらず、別々の農家があちこちで耕作している様子が分かります。

日本の水田地帯における耕作状況イメージ図

なぜ、赤字にも関わらず、お米を作り続けるのでしょうか。「先祖伝来の農地を守りたい」「地域住民の目が気になる」といった心理的な理由もありますが、統計には表れない経済合理的な理由があるようです。このコラムを読むことで、「なぜ、規模の小さなコメ農家がたくさん存在するのか」を理解するきっかけになれば嬉しいです。

文/編集:グループ広報部

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