NUDGE TALK「社会的インパクトの評価を」
社会的インパクトが評価される社会へ
こんにちは。海外事業本部・ビジネスコンサルティング本部の山添真喜子です。2月某日、お休みをいただいた私は3か月ぶりに血液検査を受けるため、主治医のいる大学病院を訪れました。検査結果は「問題なし」と聞き、ホッと胸をなでおろし病院を後にしました。
2018年に白血病を発症しましたが、9か月間の入院治療とその後の在宅治療を経て、寛解を維持しています。患者として過ごした日々で私が痛感したのは、患者は医療現場で病気を自分ごととして捉えた上でどう振る舞うべきか、分かっていないということでした。「病気を一番治したいはずの患者が治療に集中できない」「必要以上の不安やストレスを抱えながら入院期間を過ごさねばならない」といった現実も目の当たりにしました。
病院は経済的に持続可能な運営とともに、一人でも多くの患者を救うことが求められます。経済性と社会性の両立が当たりまえのように要求されている組織ですが、その社会的インパクトは測定・管理され、ステークホルダーに伝わるよう開示されているのでしょうか?
3年の休職期間を経て、三菱総研に戻った私が取り組んでいるのがインパクト投資で使われる手法、インパクト測定管理(Impact Measurement and Management: IMM)の活用・検討です。社会的なリターン=インパクトを測定し、最大化のためにマネージする手法であるIMMが普及したら、どうなるでしょうか?事業のインパクトが可視化され、インパクトを創出している事業や企業が評価されるようになり、さらには必要な資金が流れるようになると私は考えます。
財務的リターンだけでなく社会的リターンも評価するインパクト投資の拡大、社会課題解決を意図するインパクトスタートアップの創出支援など、日本を含め各国でワクワクするような潮流が生まれています。「事業を通じて自分たちが生み出したいインパクトは何か?」「計画通り、そのインパクトは生まれているか?」「どのようなインパクトを生み出す事業、企業に投資したいのか?」このような疑問に答えるためのツールである、IMMの普及と活用をこれからも後押しをしていきたいです。
編集:グループ広報部